BtoB決済代行の与信審査でNGが出ると、担当者は「取引を断るしかない」と考えがちです。しかし、与信結果は、そのサービスが保有する情報、申請時点の取引額、登録内容、審査ルールに基づく利用可否の判断です。取引先そのものの価値や将来性を断定するものではありません。事実確認と代替案の提示を分け、落ち着いて対応しましょう。
与信NGは、申請した条件で決済代行会社の掛け払いを利用できない状態を指します。カード決済のオーソリNGであれば、その時点でカード会社の承認が得られず、決済が完了していない状態です。審査NGと決済完了を取り違えないことが最初のポイントになります。
画面のステータス、エラーコード、申請日時、取引金額を確認し、商品の出荷やサービス開始を一旦止めます。自動処理に任せている場合も、NG後に誤って納品されない制御が必要です。すでに提供済みの場合は、保証対象の可否と回収方法を速やかに決済代行会社へ確認しましょう。
NGの要因には、会社名・住所・電話番号などの入力不備、取引額が利用可能枠を超えていること、事業実態を確認できないこと、支払い履歴、サービスの対象業種外などが考えられます。ただし、詳細な審査基準や個別理由が開示されない場合もあります。根拠なく原因を推測して取引先へ伝えないことが大切です。
カードの承認NGでは、入力誤り、有効期限切れ、利用限度額、利用停止、不正検知、通信障害なども考えられます。BtoB掛け払いの審査とカードのオーソリでは仕組みが異なるため、同じ「与信NG」という表示でも案内を分けます。サービスのマニュアルと問い合わせ先を社内で共有しましょう。
まず、法人名や屋号、所在地、代表者、電話番号、メールアドレス、請求金額、支払期日などに誤りがないか確認します。略称や旧住所が使われていないか、同じ取引を重複申請していないかも見直します。取引先へ連絡する前に自社側の入力不備を除外すると、不要な不安を与えずに済みます。
同時に、与信申請前に納品していないか、承認済みの別枠がないかを確認します。システム連携のエラーや通知遅延が疑われる場合は再送を繰り返さず、処理履歴を保存して運営会社へ問い合わせます。重複申請は二重請求など別の問題を招く可能性があります。
情報の修正、請求額の減額、取引の分割、追加資料の提出などにより、再審査できる場合があります。ただし、同じ情報を何度も送っても結果が変わらない可能性があり、サービスによって再申請の条件も異なります。再審査は代行会社の案内に従って行うのが基本です。
決済代行会社へは、エラーコード、取引ID、申請内容、修正できる情報を伝えます。個別理由を開示できないと言われた場合は、それ以上の推測を避けます。再審査に時間がかかるなら、取引先を待たせないために代替決済の候補と回答期限を並行して準備しましょう。
審査結果だけを経理が把握し、営業や物流へ伝わらないと、未承認のまま納品されるおそれがあります。受注管理上のステータスを「与信保留」へ変更し、出荷・アカウント発行・役務開始を制御します。NG情報を関係部署へ即時に共有できる仕組みが必要です。
一方、すべての取引を長期間止めると顧客体験が悪化します。確認担当、連絡期限、代替案の決裁者を決め、保留状態を放置しない運用にします。納期が迫っている場合は、取引先へ「支払方法確認中のため仮受付」と連絡し、確定時期を明示しましょう。
取引先へは、決済代行会社の所定審査で今回の支払方法を利用できなかったという事実だけを伝えます。「信用情報に問題がある」「支払い能力がない」など、確認できない理由を述べてはいけません。相手の評価ではなく利用可能な支払方法の案内に焦点を移すと、会話を前向きにできます。
丁寧さを保ちながらも、審査基準の詳細は自社で回答できないことを明示します。そのうえで、取引を継続する意思があること、複数の代替方法から選べること、回答期限を伝えます。謝罪だけで終えず、次に取れる行動を具体的に示すことが重要です。
件名は「お支払い方法ご確認のお願い」とし、本文では注文・案件を特定できる番号を記載します。例文は次のとおりです。「このたびご指定いただいた掛け払いにつきまして、決済サービス所定の確認の結果、今回のお取引ではご利用いただけない状況です」。理由を推測せず、今回の利用可否のみを簡潔に伝えます。
続けて「お取引は、銀行振込による前払い、クレジットカード、その他当社指定の方法で継続いただけます。ご希望の方法を○月○日までにお知らせください」と案内します。問い合わせ窓口と受付時間も添え、メールだけで判断しにくい重要顧客には営業担当から電話で補足しましょう。
営業担当によって「代行会社が悪い」「もう取引できない」など説明が変わると、取引先の不信感が増します。利用できないのはどの支払方法か、再審査できるか、代替案は何かを共通の回答表にまとめます。審査結果の表現と提示できる選択肢を全社で統一することが必要です。
また、審査情報は取引先にとって慎重に扱うべき情報です。社内チャットの公開範囲や履歴の保存先を決め、必要以上に共有しないようにします。問い合わせが複雑な場合は、営業だけで判断せず、経理や審査窓口へ引き継ぐルートを用意しましょう。
前払いは、入金確認後に商品やサービスを提供するため、売り手が未回収リスクを負いにくい方法です。請求書または振込案内を発行し、入金期限と納品予定を明確にします。入金確認後に提供を開始する条件を双方で共有することで、認識違いを防げます。
取引先にとっては資金が先に出るため、継続契約や高額取引では負担となる場合があります。全額前払いが難しければ、着手金と納品時の残金に分ける方法も検討できます。振込手数料の負担者や、期限までに入金がない場合のキャンセル条件も案内しましょう。
カード決済に対応できれば、掛け払い審査がNGでも別の決済経路を提示できます。決済リンクを送る方式なら、電話やメールでカード番号を受け取らずに案内できます。カード情報を自社で直接保管しない安全な方法を選ぶことが重要です。
ただし、カード側でもオーソリNGになる可能性があります。その場合は、入力内容の再確認、別カード、カード会社への本人からの問い合わせを案内します。理由を加盟店側で断定せず、決済が完了していないことを確認してから次の方法へ切り替えましょう。
継続的な取引では、一定額を預り金として受け取り、その範囲でサービスを提供する方法があります。また、一度に大きな与信枠が必要な案件を、工程や納品単位で分割して請求することも選択肢です。取引を断る前に金額と支払時期を調整することで、双方の負担を抑えられます。
分割は単に請求書を複数にすればよいわけではなく、契約上の成果物、検収、キャンセル条件と整合させる必要があります。決済代行の規約上、意図的な取引分割が認められない場合もあるため、再審査目的で行う際は必ず事前に確認しましょう。
長年の取引実績があり、自社で支払い履歴や財務状況を確認できる相手について、決済代行を使わず従来の請求書払いを認める方法もあります。例外を認める基準と承認者を明文化することで、営業判断のばらつきや過度なリスクテイクを防げます。
例外枠には上限額、支払サイト、見直し時期を設定し、入金遅延があれば停止するルールを設けます。決済代行の保証は受けられないため、自社が未回収リスクを負うことも明確にします。重要顧客だからという理由だけで無制限に認めないようにしましょう。
与信NGは一定数発生し得る前提で、確認、保留、再審査、顧客連絡、代替決済、キャンセルまでをフロー化します。担当者が迷う時間を減らせば、取引先への回答も早くなります。NG後の選択肢を準備しておくことが受注維持につながるのです。
運用開始後は、NG件数、主な顧客属性、代替決済への転換率、キャンセル率を記録します。特定の顧客層でNGが多いなら、別サービスの併用や自社与信の見直しを検討します。審査結果を終点とせず、顧客が支払える経路を設計することが大切です。
ここでは、BtoBの請求業務における悩みを解決する決済代行会社を目的別に紹介。
与信精度・審査スピード・経理処理の自動化など、自社の目的に合ったサービス選びの参考にしてください。

| 限度額 | 最大5,000万円 |
|---|---|
| 審査の速さ | 最短数秒 |
| 連携 機能 |
API、iPaas連携可 |
| 保証料 | 請求金額の 0.5~3.5% |
LINE、ココナラ、スペースマーケット、キャンドゥ、ニトリ

| 限度額 | 1,000万円 |
|---|---|
| 審査の速さ | 最短1秒 |
| 連携 機能 |
約10種類 |
| 保証料 | 委託金額の 0.5~3.5% |
SOMPO Light Vortex、JA全農たまご、Schoo、丸紅フォレストリンクス

| 限度額 | 最大30万円 |
|---|---|
| 審査の速さ | 最短2営業日 |
| 連携 機能 |
15種以上 |
| 保証料 | カード決済の場合 2.65% |
日本調剤、毎日新聞社、扶桑社、Gakken