決済代行導入の流れ

ECサイトや新しい事業を始める際、決済手段の導入は欠かせません。決済代行サービスを利用すれば、煩雑な手続きやシステム開発の負担を大幅に軽減できます。

本記事では、サービス導入を成功させるためのステップと注意点を解説します。

問合せ

まずは自社のECサイトや事業内容、導入したい決済手段（クレジットカード、コンビニ決済、電子マネーなど）を明確にした上で、決済代行会社に問合せを行います。この際、想定される月間取引額や希望する入金サイクルなどの情報を準備しておくとスムーズです。

複数の会社に問合せを行い、実績やセキュリティ体制、提供されるシステムの種類、サポート体制などを比較検討することが重要です。

見積もり

問合せた内容に基づき、決済代行会社から初期費用、月額固定費、決済手数料などの料金体系を含む詳細な見積もりが提示されます。

見積もりを比較する際は、提示された手数料率だけでなく、隠れたコストや、利用する機能に応じた追加料金がないかを確認しましょう。また、希望する決済手段がすべて含まれているか、入金サイクルが自社のキャッシュフローに合うかなども重要なチェックポイントです。

契約

提示された見積もりとサービス内容に合意したら、決済代行会社と正式に契約を締結します。この契約後、サービスの利用を開始するために、代行会社を通じて各決済機関（クレジットカード会社など）への「加盟店審査」の申し込みが行われます。

審査・導入に要する期間は決済手段や事業内容、審査機関により数日〜数週間が目安で、長いものでは1か月超かかる場合もあります。ECサイトの公開予定がある場合は、3週間〜2か月程度を見込んで余裕を持った計画にしましょう。

導入時の注意点

スケジュールに余裕を持つ

決済代行サービスの導入開始からシステム稼働までには、数日〜数週間で稼働できるケースから、1か月超かかるケースまで幅があります。

これは、決済代行会社経由で各決済機関が行う「加盟店審査」に時間を要するためです。特にECサイトのオープン日が決まっている場合は、期日に遅れることのないよう、早めに申し込み手続きを開始し、十分な余裕を持ってスケジュールを管理することが重要です。

料金体系と入金サイクルを確認する

初期費用や月額固定費だけでなく、「決済手数料」「トランザクション処理料」など、取引量に応じた変動費用を含めた総コストを正確に把握しましょう。また、売上が入金されるまでの「入金サイクル」が自社のキャッシュフローに適しているかも重要です。

サイクルが長すぎると資金繰りに影響を及ぼすため、契約前に詳細な条件をしっかりと確認し、比較検討することが必要です。

加盟店審査の準備を徹底する

審査では、取扱商材の適法性、ECサイトの記載事項（特定商取引法に基づく表記など）、企業の信用情報などが厳しくチェックされます。特にECサイトの情報に不備があると審査落ちの原因となります。

代行会社から求められる書類や情報を迅速かつ正確に提出できるよう、事前に準備を徹底することで、審査期間の長期化や手戻りを防ぎ、スムーズな導入を目指しましょう。

まとめ

決済代行サービスの導入は、複数の決済手段の一括導入やシステム開発・運用のコスト削減、入金管理の効率化を実現し、事業の成長を強力に後押しします。

スムーズな導入のためには、問合せから審査完了までのスケジュールに余裕を持つこと、そして料金体系と入金サイクルの条件を細部まで確認することが重要です。