決済代行サービスを利用する際によく耳にする「預り金」。本記事では、決済代行における預り金の仕組みや、事業者にとってのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
決済代行における預り金とは、商品やサービスの対価として顧客が支払った代金を、事業者に代わって決済代行会社が一時的に保持している資金のことです。本来、決済は購入者と販売者の二者間で完結するものですが、多様な支払い方法に対応するために代行会社が中間に介在します。このとき、代行会社は決済機関から回収した売上金を「預り金」という名目で管理し、契約に基づいた特定のタイミングで事業者の口座へ送金する役割を担っています。これにより、事業者は直接的な金銭の受け取りを待たずに、システム上の決済完了通知をもって商品の発送やサービスの提供を進めることが可能です。
具体的な代金の流れを確認すると、まず顧客がクレジットカードやコンビニ決済などで支払い操作を行います。その決済情報は代行会社を通じて各決済機関へ送られ、承認されると決済完了です。この段階では、お金はまだ事業者の手元にはなく、各決済機関から代行会社に対して入金が行われます。代行会社はこの集まった資金を一定期間「預り金」としてプールしておき、あらかじめ合意された締日と支払日のサイクルに従って、決済手数料などを差し引いた金額を事業者に振り込む仕組みです。このように、顧客が支払ってから事業者の手元に届くまでに、代行会社が一時的に資金を留めるプロセスが介在するのが一般的です。
預り金方式の大きな特徴として、複数の決済手段から発生した売上を一括で管理できる点が挙げられます。現代のビジネスでは、カード決済だけでなく、QRコード決済やキャリア決済など多くの支払い手段を揃える必要がありますが、これらを個別に管理するのは非常に煩雑です。代行会社はこの多様な決済手段による売上をすべて「預り金」として一つにまとめ、合算した状態で事業者に送金します。複数の窓口からバラバラに入金されるのではなく、一つの窓口に集約されるため、入金確認の頻度が抑えられ、資金の全体像を把握しやすくなるという仕組み上の利点があります。
事業者が預り金方式を導入する大きな利点は、入金管理や消込作業にかかる工数を抑えられることです。個別の注文ごとに銀行振込などを確認する場合、通帳の記帳内容と売上データを一件ずつ照らし合わせる作業が発生し、人的なミスや確認漏れのリスクが伴います。しかし、決済代行会社が一度売上を預かることで、一定期間の売上を合算した状態で把握できるようになります。多くのサービスでは管理画面上で入金状況が可視化されるため、照合作業の自動化や簡略化が進み、バックオフィス業務の効率化に寄与する可能性が高いといえるでしょう。
もし決済代行を利用せずに自社で複数の決済手段を導入する場合、それぞれのカード会社や決済事業者と個別に契約を結び、入金日の管理を行う必要があります。これは中小規模の事業者にとっては非常に大きな事務負担となり、経営のスピードを損なう要因になりかねません。預り金方式を採用している代行会社を通じれば、窓口が一本化されるため、問い合わせや契約更新の手続きも集約されます。煩雑な事務作業を代行会社に委ねることで、事業者は本来の主業務である商品開発やマーケティング活動に専念できる環境を整えやすくなるはずです。
一方で、預り金方式には資金繰りに関する注意点も存在します。代行会社が一度資金を預かるという性質上、顧客が支払ってから実際に事業者の口座へ入金されるまでにタイムラグが発生してしまう点です。例えば「月末締め、翌月末払い」のようなサイクルであれば、売上が現金化されるまでに最大で2ヶ月近くかかるケースも考えられます。仕入れ費用や広告費の支払いが先行するビジネスモデルの場合、手元の現金が不足するリスクを考慮しなければなりません。導入にあたっては、自社の支出のタイミングと、代行会社からの入金スケジュールのバランスを事前によく検討することが求められます。
決済代行会社を選ぶ際、まず確認すべきなのは入金サイクルの頻度です。月1回の入金が標準的なケースもあれば、オプションで月2回や3回、あるいは週単位での振り込みに対応している会社もあります。資金回転の速さが重要となる物販業などでは、なるべく早期に入金が行われるプランを選択することが望ましいでしょう。ただし、入金回数を増やすことで振込手数料などのコストが追加で発生する場合もあるため、利便性と費用のバランスを考慮することが大切です。自社のキャッシュフローをシミュレーションした上で、無理のない運用ができるサイクルを見極める必要があります。
預り金を扱うサービスには、決済手数料のほかに月額費用や初期費用、振込手数料など、さまざまなコストが発生します。提示されている料率が低く設定されていても、その他の固定費が高い場合や、特定の決済手段だけ手数料が高いといったケースも珍しくありません。また、単に安さだけで判断するのではなく、管理画面の操作性やサポート体制の充実度、入金データの連携機能といった付加価値も考慮に入れるべきです。長期的な運用を見据え、トータルでのコストパフォーマンスが自社の売上規模や取引件数に見合っているかどうかを多角的に評価するのが賢明な判断といえます。
大切な売上金を「預り金」として一時的に託す以上、決済代行会社の信頼性とセキュリティ体制の確認は不可欠です。万が一、代行会社のシステムに不備があったり、経営状態が悪化したりすれば、事業者の売上回収に重大な支障をきたす恐れがあります。そこで、クレジットカード情報の保護に関する国際基準であるPCI DSSに準拠しているか、またプライバシーマークを取得しているかといった点は重要な指標と言えるでしょう。これまでの導入実績や運営企業の資本背景、評判なども含めて総合的に判断し、安心して大切な資金を預けられるパートナーを選ぶことが、ビジネスの安定的な継続につながります。
決済代行における預り金は、複雑な決済業務をシンプルにし、経理の効率化を助ける重要な仕組みです。入金管理の一本化や事務負担の軽減といった多くのメリットがある反面、入金までの期間が空くことによるキャッシュフローへの影響については、事前に対策を講じておく必要があります。自社のビジネス規模や資金の回転速度に合わせ、適切な入金サイクルや手数料体系を備えた代行会社を選ぶことが、事業成長の鍵となります。
本メディアでは、目的別におすすめのBtoB向け決済代行サービスをご紹介しています。提供する会社によってサービス内容が大きく異なるため、サービス選びにお役立てください。
ここでは、BtoBの請求業務における悩みを解決する決済代行会社を目的別に紹介。
与信精度・審査スピード・経理処理の自動化など、自社の目的に合ったサービス選びの参考にしてください。

| 限度額 | 最大5,000万円 |
|---|---|
| 審査の速さ | 最短数秒 |
| 連携 機能 |
API、iPaas連携可 |
| 保証料 | 請求金額の 0.5~3.5% |
LINE、ココナラ、スペースマーケット、キャンドゥ、ニトリ

| 限度額 | 1,000万円 |
|---|---|
| 審査の速さ | 最短1秒 |
| 連携 機能 |
約10種類 |
| 保証料 | 委託金額の 0.5~3.5% |
SOMPO Light Vortex、JA全農たまご、Schoo、丸紅フォレストリンクス

| 限度額 | 最大30万円 |
|---|---|
| 審査の速さ | 最短2営業日 |
| 連携 機能 |
15種以上 |
| 保証料 | カード決済の場合 2.65% |
日本調剤、毎日新聞社、扶桑社、Gakken